大学支援

研究室単位の活動の推進を踏まえた、大学への支援を実施しています。
社会に対する多様な研究成果の還元を支えながら、 独創的かつ先端的な研究活動の発展をサポートすることで、
建設業界を担う人材の育成に貢献しています。

研究活動の支援を通じて業界の担い手を発掘

当学院は新しい技術や文化・歴史的な研究活動に対して積極的に支援を行っています。ここではそのほんの一例をご紹介します。

■早稲田大学 古谷・藤井研究室

「日中韓国際合同設計ワークショップ」

日本 ・早稲田大学、中国 ・ 中央美術学院、韓国 ・ 慶熙大学校の三大学で年二回、東京→ソウル→北京の巡回の形式で行います。アジアの大都市が共有している都市建築の問題点および今後の進むべき方向に関して多様な文化的な視点から解決の方法を模索しています。それに基づいて、都市化に伴う問題を捉え、特徴的な敷地を選定し、建築デザイン ・ ランドスケープ・ 都市計画のスケールを横断し、意欲的な提案を求めます。

■早稲田大学 古谷・藤井研究室

「日中国際共同デザインワークショップ」

日本・早稲田大学、中国・清華大学、重慶大学他の七大学で、都市圏の全体計画の背景におけるマカオ都市発展および転換の可能性について社会的・文化的課題に対応する提案型設計のワークショップを開催しました。令和元年度、旧ポルトガル植民地時代を経て、現在世界遺産、カジノ業として知られるマカオで行いました。日本 ・ 中国などの多国籍学生が現地調査、コンセプト提案を行った上、マカオ市民 ・ 政府向けの展示会も開催されました。

■東北大学 五十子研究室

「超高層鋼構造骨組の捩れ倒壊現象研究会」

日本には多数の超両恩建築物のストックがあり、その棟数も増大し続けています。一方で、これら建築物に作用する地震や強風等の外乱は自然現象であって末知の部分やこれまで影響が小さかったために見逃されている部分が存在します。剛性と耐力をバランスよく設計した建物においてさえ大振幅地震動下で下層部分に弓なり変形の累積を生じたり、大きな捻れ変形の累積を誘発する下層部変形集中現象。このような超高層建物の不安定現象についてメカニズムの解明と当該現象に伴う安全余裕度低下を防ぐ対策技術の開発を目指しています。同研究会において、学生と教員に加え、当該研究の権威である京都大学名誉教授上谷宏二氏を交えて、議論を深める機会となりました。

■金沢工業大学 土田研究室

「音風景プロジェクトによる地域活性化のための実践的活動」

同研究室では音と建築・ 都市が研究テーマの中心となっています。その中でも特にサウンドスケープ(音風景)に関する研究はゼミにおける中心的な課題となっています。研究に付随する実践活動として、独自の風鈴である「かなざわ風鈴」と「加賀風鈴」を提案しています。またそれを製作、展示するワ ークショップを企画し、年数回実施しています。地域の資源•特性を理解し、魅力的な都市空間を構築する術を学ぶことを目的としている同活動。実社会で活用できる専門的な能力の基礎を、同活動を通じて学生たちは理解を深めることができます。また、異分野との連携、地域との連携、世代を超えた連携から、「行動する技術者」に近づくことができます。

■金沢工業大学 後藤研究室

「古都鎌倉市における街並み作り」

伝統木造建築の 補強方法や現代に適した形を解明することが、失われていく伝統木造建築の保全に繋がります。しかし、伝統木造建築は古くから残る建物であり、それぞれの土地や風土を考慮したものが多く、構法や材料などが地域ごとに異なるため、その土地の特性に合わせた補強方法を提案する必要があります。本研究では、鎌倉の町、風土、建物など固有の特徴を調査したうえで、鎌倉の伝統的建物の 補強方法の提案を行います。今回は、伝統木造住宅が多く残り、古都景観地域である鎌倉市材木座を対象に調査を行いました。全数調査やヒアリング調査、文献調査から建物の分類を行い、材木座の建物の現状把握。また、材木座に位置する伝統木造住宅の耐震性能評価を行い、適した補強方法の提案及び実験を行いました。

■神奈川大学 石田研究室

「瀬戸内海地方の広島県の東部地域(尾道市及び福山市輛町の沿岸部地域)空き家の再生・活用及び運用に関する研究と提案」

同研究室では主に「都市住宅の住まい方」及び「建築·まちづくりの手法」に関する研究を行っています。2018年度に瀬戸内海地方の広島県東部地域(尾道市及び福山市柄町の沿岸部地域ー尾道市浦椅町ー)の実態調査(地理的考察や近年の地域活性化の動向、実態調査など)とその知見から地域資源を明らかにしたうえで、その地域資源から地域活性化の方法を探り、急激な過疎化が深刻な問題になっている尾道市浦崎町の活性化の一助として まとめました。 2019年度は「瀬戸内海地方の広島県の東部地域(尾道市及び福山市靱町の沿岸部地域)空き家の再生・活用及び運用に関する研究と提案」ー その2 ーと題し、現地調査を数回行い、より具体的な情報収集とそこから得られた知見をもとに対象地域にふさわしいプログラムと具体的な施設計画を提案しています。